はたらき方に迷ったら、一緒にはたらきたいと思える仲間を探しにいけば良い
8月20日、お盆休み最後の日曜日。夏休みを満喫する人たちでごった返す鹿児島中央駅。
その喧噪から少し離れた場所に、雰囲気のある建物がひっそりたたずんでいる。ヘルスケア事業などを手がけるMOVADOが主催する薬学生と薬剤師のためのプレゼンイベントの会場だ。
テーマは「薬剤師のキャリア」。
当日のプレゼンターは5人。いったいどのような話が繰り広げられるのか……。
という内容を伝えるのがスタンダードなのだろう。
でも、それはさまざまなメディアでさんざん行なわれているし、同テーマの良記事もすでに多数あるので、今回は参加者側にスポットを当ててみたい。
こうしたイベントへの参加が、どれほど大きなメリットを参加者にもたらし、「薬剤師としてのこれからの自分」をどんな風に豊かに変えていくのかを、お伝えしたいと思う。
イベントで、各地でがんばる仲間に会うと、特に現在「これからどうしよう」「やりたいことが分からない」「ビジョンはあるけど実現の方法で迷っている」と、もやもやを抱えている薬剤師・薬学生は勇気がわいてくるはずだ。
理想のはたらき方をしている人の周りには、一緒にはたらきたくなる素敵な人が集まってくる
今回のイベントで「薬剤師のキャリア」について語ってくれたのは、そうそうたる顔ぶれの4名の薬剤師と、これからの薬剤師業界を担う薬学生だ。(プレゼンの発表順にご紹介!)
赤羽根秀宜さん
原崎大作さん
中川翼さん
大須賀悠子さん
井手口直子さん
イベントには、薬学生・薬剤師およそ30名が参加。
「自分のこれから」を考えるヒントを探すかのように、5人のプレゼンターが語る「キャリア」に聴き入っていた。
人と場所がうまくマッチすると、時々思いもよらない居心地の良い雰囲気を作り出すことがある。素敵な、良い出会いを予感させる、わくわくする空気感だ。イベント会場には、その空気が満ちていた。
素敵なはたらき方をしている薬剤師と、どうやって出会うのか
理想のはたらき方をする人の周りには、同じように素敵な人が自然と集まってくる。
” 学校薬剤師として、地域のこどもたちの健康のために活躍する薬剤師 ”
” 35℃を超えるような真夏日にも、台風や雪の日にも、薬局の外を飛び回り、患者さんと家族によりそう在宅医療を実現し続けている薬剤師 ”
” 自薬局だけではなく、地域でがんばる薬局すべてが生き残れる方法を考え、モデルケースを作り出している薬剤師 ”
” 企業の保険者へのアプローチを通して、健康増進と医療費削減の両方を実現するプロジェクトをすすめている薬剤師 ”
” 毎日忙しい、当直大変と言いながら「でも、患者さんのため」と笑顔で言い切る薬剤師 ”
会場に集まったおよそ30人の薬剤師が、30人それぞれのフィールドで、その人にしかできない魅力的なはたらき方をしていた。
もしも今、自分のはたらき方に迷っている人がいたら、理想のはたらき方をしている人に会いに行ってみると良いと思う。
理想のはたらき方や人物が明確ならアポイントメントを取って会いにいくのも良いし、会うのが無理なら、SNSなどをつかってコンタクトしてみるのも良いかもしれない。
もし、ビジョンがぼんやりしている場合は、第一線で活躍している薬剤師の話を聞くことができる今回のようなイベントに参加して「出会う」のが良い。
なぜなら、前述したように、自分が思い描く理想のはたらき方をしている人の周りには、やっぱり同じように魅力的なはたらき方をしている人がいるからだ。
そういう人たちは「今はぼんやりとしている自分の理想」を実現しているモデルであることが多い。
イベントをきっかけに出会い、話をすることを通して、これまでもやもやして見えづらかった理想像が、一気にクリアになることだってあるかもしれない。
一緒にはたらきたいと思える人との出会いは、自分を豊かにする
「この薬剤師さんはすごい」
「一緒にはたらけたら、毎日が充実するだろうな」
そう思っても、実際に一緒にはたらけるケースはごくわずかだ。
でも、たとえ一緒にはたらけなくたって、顔の見える関係でつながっていることが、自分を豊かにしてくれる。
迷ったり、悩んだりしたときに手を差し伸べてくれる味方ができることは、何物にも代えられない貴重な宝物となる。それに、なんといっても心強い。
きっと、交流を続けていけば、はたらくことに対する考え方や、はたらき方も変わってくるだろう。
そうなれば、もう自分のこれからに迷うこともなくなっていると思う。そして、気付かないくらい自然に理想のはたらき方に近づいて、いつの間にか自分が「あの人のはたらき方、素敵だよね」と言われる側になっているはずだ。