週刊女性さまで「在宅看護職・介護職が利用者等から受ける暴力とセクハラ」について書きました
去年のことになりますが、週刊女性11月28日号に「あなたの知らない在宅看護・介護の闇」というタイトルの記事を書かせていただきました。
本誌から「週刊女性PRIME」にウェブ記事化されるにあたって、かなり過激なタイトルに変更されていて驚いたのですが、非常に真面目な内容で、切実な在宅訪問サービスの現場の問題を取り上げています。
きっかけはとある学会のシンポジウム。
登壇されていた北須磨訪問看護・リハビリセンターの藤田愛先生と、城西国際大学福祉総合学部福祉総合学科の篠崎良勝先生のご講演でした。
なんと、訪問看護職、訪問介護職のおよそ50%が、利用者およびその家族から、言葉または身体的な暴力、セクハラを受けた経験があるというのです。
衝撃的でした。
そして、暴力・セクハラの問題は、看護職、介護職のみではなく、薬剤師にとっても他人ごとではなく、自分ごとの問題として考える必要があると思いました。
これまでに、薬局店頭でも、薬局スタッフがいわれのない言葉の暴力を投げかけられたり、セクハラを受けている場面を目にしてきたからです。
でも、そのときは「大丈夫?」「大変だったね」と、声をかけることしかできなくて、暴力やセクハラを根本的にどうこうしようという発想にはなりませんでした……。
皆様の薬局はどうですか?
ところで、なぜこんなにも多くの在宅訪問サービスの従事者が被害に遭っているのに、問題が表に出てこなかったのか。
これにも、複雑な事情が絡み合っていました。
ひとつの大きな理由は、被害に遭ったスタッフに「医療や介護を受ける利用者さんは、社会的弱者なのだ」という同情する気持ちがはたらいたり、これ以上弱い立場に追い込むようなことは……と表に出すことを躊躇する気持ちが先だってしまうことです。
また、せっかく報告しても「あなたの対応が悪い」「あなたにも非がある」と注意を受けて、問題を取り上げてもらうことができなかったということがあるようです……。
まとまりのない文章ですみません(書きたいことは、本誌に詰め込んだので、力尽き気味で…)。
最後に……。
記事でも書きましたが、これは決して利用者さまやご家族を追い詰める意図で書いたのではありません。
これからも質の良い医療や介護のサービスを届け続けるために、在宅訪問サービスの担い手という、限りある医療資源を守ることが必要だと思うからです。
これを機に、スタッフ間で、現在困っていることを共有したり、対応法を話し合って、問題解決策を実践し、これまでよりも、もっと良いサービス提供へとつながっていったら良いですよね。